表1 WHOにおける“Essential drug:E-drug”(必須医薬品)選択の基準

 大多数の人々の要求を満たすためには,検証された有効性と安全性を備えた薬物を優先すべきである.薬物や剤形の不必要な重複は 避けるべきである.

 臨床比較試験ないし疫学的研究での適切な科学的データが存在する薬物,各種の条件下で一般的に使用され,その成果があがっている というエビデンス(科学的根拠)が得られている薬物のみを選択すべきである.新製品は,既存製品に対して明確な利点を持つ場合にのみ採 用すべきである.

 いずれの薬物も,必要ならば生物学的利用性を含んだ品質,および保存・使用の際に予想される条件での安定性に関して,適切な基準を 満たしていなければならない.

 薬物の国際一般名(INN,一般名)を用いなければならない.これは活性成分にもとづく短縮した科学名である.WHOは,英語,フランス語, ラテン語,ロシア語,スペイン語のINNを指定し公表する責任をもっている.

 薬物あるいは剤形の治療費,特に費用便益比(cost/benefit ratio)が主要な選択基準である.

 2種類以上の薬物が類似であると考えられる場合は,@もっとも完全に研究されつくしている薬物,A薬物動態的にもっとも好ましい性質を もつ薬物,B信頼できる地域生産設備が存在すること,などによって優先順位を決めるべきである.

 多くの必須医薬品は単味で処方されるべきである.固定用量配合剤はいずれの成分も特定の対象集団の要求を満たし,治療効果,安全性, 治療遵守,費用について配合剤が個別に投与した単味成分よりも利点があると証明された場合にのみ許容される.


P-Drugマニュアル,医学書院,1998,33ページより(WHOによる必須医薬品のリストとその考え方などは,最新版としてThe use of essential drug, Seventh report of the WHO Expert Committee, WHO Technical Report Series, No. 867. WHO, Geneva, 1997を参照されたい.)

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